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■久しぶりの来日ですね。昨年リリースした際の記事をたくさん拝見させて頂きました。その中で、ご自分を「Hip Hop大使」と位置付けられていたのを印象強く覚えています。Hip Hopの定義は何だとお考えですか?

Guru : Hip Hopの定義というのは、本当のHip Hopの要素、ターンテーブリズム、MC、グラフィティ、そしてブレイクダンスを代弁することだ。他には、自己表現であり、NYの黒人やラテン系の発展の証でもあるな。

Solar : 俺にとってHip Hopは、文化であり生活そのものを指すんだ。1977~1978頃のニューヨークの黒人やラティーノの苦悩からの産物なんだ。その頃は、警察からの日々の嫌がらせ、貧富の格差に多くの有色人種が虐げられていたんだ。そんな中でHip Hopは生まれた。俺たちのためにな。一般受けする必要も無かったし、Hip Hopが唯一の俺たちのコミュニケーション手段だったんだ。でも、現在のHip Hopは全く違うモノを指している。今のHip Hopは”共同産物”という位置付けの方がより近いんじゃないかな。今のラッパーはラップすることになんかに興味の重きを置いてないだろ。車、ジュエリー、映画と、売れるモノは何でも引き受ける状態だ。でも俺は、プロデューサーでありクリエイターだ。何よりも先にアート(作品)を発表するのが仕事だ。レーベル”7Grand”は、苦悩から生まれた文化を代弁しているんだ。苦悩と苦痛は音楽を生み出す。苦しみ抜きには音楽は存在していないんだ。例えば、奴隷制がなかったら、R&Bやブルースは存在していなかったし、Hip Hopだって同じことだ。”自由”を得たときに、Jazzが独自のスタイル、独特の表現方法、そして文化を携えて生まれたんだ。俺たちが待ち焦がれていた文化がね!

 

■しかし、苦悩知らない世代のHip Hopアーティストが多数活躍している現在、彼らをどう位置付けますか?アーティストではなくビジネスマンと呼んだ方が正しいのでしょうか?

Solar : 売上至上主義ってことだ。例えば、Mos Def。彼はアングラアーティストとして名を馳せ、俳優としても成功したよな。今は車やトラックを売ってる。彼のことをすごく尊敬してるけど、シリアスに捉えることができないんだ。Black Eyed Peasも同じだ。メンバーとも仲良しだし、イイ奴らだけど、携帯を売ってるんだぜ。俺たちはアーティストだGuruはいつまでもGuruだし、俺はいつまでも俺だ。俺たちはまず作品を発表する。来日する前に、メジャーレーベルからSnoop Dogg『Drop It’s Like Hot [Remix]』とTerror Squad『Lean Back part 2』のオファーを受けたんだ。The NeptunesとScott Storchだぜ。でも丁重にお断りしたよ。俺たちには、新しいプロデューサーもいるし、アーティストもいる。自分たちでヴィジョンを創り出すって伝えたら、「冗談だろ~!DJ Premierに振るからな。Scott StorchにThe Neptunesだぜ。うまくやろうぜ!」って言われたよ。だから、「自分らしくやるから大丈夫。ありがとな」って言ってやった。俺たちなりのやり方でやっていくんだ。ランボルギーニやベンツは運転してないし、フェラーリも買えないけど、それが世界の終わりじゃないんだし、俺は他の人と同じように一生懸命仕事しているし、楽しんでるんだ。そして、周囲に建設的な考えを提案しているんだ。人としての在り方を提案して、世の中のことに気を止めているのに、俺たちはまるで罪人扱いだよ。

 

■ラジオのエア数がCDの売上を左右すると言われていますが、それは本当だと思いますか?

Guru : ラジオのエア数がセールスに影響を与えるというのは事実だね。というより、ラジオのエア数で売上が決まるって言っても過言じゃないと思う。SOLARも言ってたように、現在のHip Hopはビジネスとして確立しているから、いくつかのメジャーのレコード会社に独占されているんだ。ラジオをコントロールしたり、その他色いろあるんだよ。ラジオのDJは番組のディレクターからプレイリストを渡されて、何回かの割合で流さなきゃいけない。彼ら独自で選べるのなんて、1~2曲程度だよ。要するに、大きなビジネスとして指揮されていて、メジャーに所属していないプロモーターやインディのレーベルは介入し難くなっているんだよ。

 

■GuruとSolarのパートナーシップはいつ実現したのですか?

Guru : 共通の友人を通じて知り合ったんだけど、すぐに意気投合したな。俺は、彼が俺に何も求めてこない姿勢に本当に驚かされたんだ。エンターテイメントの世界に生きて、色んな人間に会ってきたが、みんな序所に俺との距離を詰めつつ、タイミングを計ってる。でもSolarは違ったんだ。彼と知り合ってからは、色んなことを学んだよ。本当に真剣なマインドを持った、真のビジネスマンとして尊敬してるよ。とにかく興味深い男なんだよ。それに、音楽の話を始めたら時間知らずなトコもよく似てるよな。ニューヨークのクラブやイベントによく一緒に遊びに行ったりもした。当時の俺はGang Starrとしての最後のアルバムの調整に入ってたんだ。俺はそのとき、ある意味での人生の岐路に立っていて、メジャーレーベルとの考え方の違いに悩んでいたし、A&Rやその周りの人間の行動に、俺の創作意欲は皆無に等しくなりかけてたんだ。それをSolarに愚痴ったら、「そんなにヒドイんだったら、自分でレーベル始めろ」って言われたんだ。他の人が出来るんだから、Guruにも出来るって言ってくれたんだ。当時の俺は、自分のキャリアやこれからの生活に不安を覚えていて、自暴自棄になって酒ばっかり飲んでた。ちょうど5年前かな。焦点が合ってなかったんだよな。俺は、Solarに事業パートナーになって欲しいってお願いしたよ。そしたら、「一緒に仕事したければ、禁酒して生活を正せ」って言われたよ。それから俺は規律正しくなったね。次の週にSolarに電話して、禁酒したことを伝えて、俺はそれから一滴も酒を飲んでないんだ。私生活を話過ぎた感じがするけど、この業界を物語ってるだろ。苦悩を一緒に乗り越えたからこそ生まれる、強いチームだと思ってるよ。Solarも何か言いたいだろうから、この辺にしとくな。

Solar : 今思えば、当時の俺は、俺の思い描く”アメリカンドリーム”とは真逆にいたんだ。ホームレスがたくさんいるアメリカという国が、子供たちに何をしてくれるかを問うだけの日々だった。Guruと遊び回って、環境を変えて第三者的に自分を見つめなおしてみる……。俺にとっては転機だったんだよな。Guruと一緒に音楽ビジネスに身を置くのは、俺の楽しみでもあるんだ。スクリーンを通すのと、実物が必ずしも一致するとは限らないってのは教訓としてるし、このビジネスは人間をダメにするのも目の当たりにしたよ。Guruにしたって同じことだよ。Guruの周りはラッパーになりたい奴や、プロデューサー志望のやつばっかりで、Guruが世話をする立場にいたんだ。だから、俺は、「お前の生活は最悪だ。ちょと落ち着け」って言ってやっただけのこと。レーベルに関しては、友達として意見したら、「一緒にやろう」って言われてビックリしたけどな。何日か後に電話してきて、「俺はやるよ!」って言われて、「おー、頑張れよ。応援してる!」って応えたら、「一緒にやるんだよ」って怒鳴られたんだ。さすがに人生の選択だから迷ったよ。家に帰ったらなるべく考えないようにしたな。長い話をもっと長くすると~(笑)、とりあえず色んな人に俺の特徴を聞いてみることにしたんだ。そうしてる内、俺はチャレンジ精神旺盛で、常に物事をやり遂げる男だったってことを思い出したんだ。これは俺の人生の賭けだと思ったね。レーベルを始動する前に、とりあえずGuruの飲酒について話し合う必要があると思ったんだ。何を始めるにも、まず禁酒することを条件にする必要があった。飲酒運転や事故なんて、まったく余計な心配事だからな。そういう心配の種は不要だろ。一生分の酒は飲み尽くしてるよって教えてやったよ。それからGuruは本当に禁酒したんだ。男としてやらなきゃいけないことをしたんだよ。だから俺はGuruをすごく尊敬してるんだ。Guruの経験は、みんなのお手本になるだろ。どんなに成功して富を得ても、自分を支えてくれる”何か”を得ていないと人生は空しいってことだよ。酒や薬物に逃げるんじゃなく、限界を支えてくれる”何か”を大切にしろって意味だ。彼が条件をのんでからは、問題は何もなくなったから、レーベルを始動させたんだ。音楽についてとにかく語り合ったな。最近の音は、どれも同じに聞こえてプロデューサーの違いがよく俺にはわからなかった。まぁ、それは他人のトラックだからかもしれないけどな(笑)。それから、俺のトラックをいくつか聴かせたらGuruは「持って帰っていいか?」って聞くんだ。翌日、より格好良くなって返ってきたよ。その大半が『Street Scriptures』に収録されてる曲だ。当時は別々のスタジオで作業してたんだけど、とにかくホットなトラックになったもんだから、時間を見つけては一緒にスタジオにこもったんだ。そして出来上がったのが、2アーティストの傑作だったんだ。神が降りてきたって感じだよ。奇跡的な化学反応とはこのことだね。作品が出来上がってからは、走り続けるのみだったな。俺はビートを創りまくって、Guruはそれにリリックを付ける。そうやって40曲出来上がって、そこから厳選した19曲なんだ。

 

■制作期間はどれくらいでしたか? また、自身のレーベル7Grandの特徴は?

Guru : 3年くらいかな。最初の2年は友達としてつるんでいたんだ。彼は、当時の俺の周りにいた人間とは違うタイプだったから、とにかく学ぶことがたくさんあったな。当時の俺の周りは、自分のラップやビートのデモを渡してくる奴しかいなかったんだ。でもSolarは一切そういうことをしなかった。初めて彼のビートを聴いたとき、本当に驚いたよ。彼は俺の考えていることがわかるのかって思うくらい目指していた音だったんだ。Gang Starrとしてのピークを感じていた俺は、新しい音に飢えていたんだ。お気に入りだったアーティストにも飽きを感じる状態だったし、息の長いアーティストになろうとする限り、過去の栄光にすがることなんてしたくなかったんだ。俺はGang Starrとして有名になり、一時代を築いた。でももう終わったんだ。素晴らしい伝説を残してな。DJ Premierという天才的な才能に恵まれたように、まったく新しい天才、Solarと新しいことを始める”時”だったんだ。7Grandは、ただのレコードレーベルではなく、多種のメディアを集約した会社だ。俺たちは、創作威力に沸いているし、たくさんの作品を発表していくからな。

Solar : ドキュメンタリーであり、マルチメディアプレゼンテーションを展開していくぜ。

Guru : これは俺単独のプロジェクトじゃなく、俺と俺の会社とSolarの共作なんだ。まったく新しいモノだ。ショーで体感してくれただろ? 俺とSOLARの2枚看板で客と戯れ、DJ Doo Wopが煽りまくる。新しい形だろ。Guruとしての新たな挑戦だ!

 

■『Street Scriptures』では、数組のアーティストをフューチャしてらっしゃいますが、フィーチャリングアーティストはどうやって選ばれるんですか?Jaguar Wright(はThe Rootsのアルバムにも参加されてたアーティストですよね?

Guru : そうそう。彼女はThe Roots周りのコだよ。WOW!これはすごく良い質問だな。いつも言っているんだけど、誰がフィーチャーされているかよりも、誰がフィーチャーされていないかに注目して欲しいんだ。今のHip Hopは、1週目に売上を伸ばすためにフィーチャーするアーティストを決める時代なんだ。プラチナアーティストをフィーチャーしたアルバムは、そこそこ数字を出すからな。でも、音を聴いてフィーチャーされていることは認識できても、そこに何の相性も感じられなかったら何の意味があるんだ? やらされている状態なんだよ。その点、俺たちのアルバムでは、スペシャルなヴァイヴが感じられると思うよ。業界で知り合った友達や、ただ単に作品が好きなアーティストだけを選んだからね。

Solar : 俺は新人プロデューサーだ。アルバムにフィーチャーするアーティストについてももちろん話し合った。俺は言ったんだ。「今風のアーティストはアルバムのコンセプトに合わない」ってな。俺たちは話合いを重ねて、誰とコラボレイションしたいか書き出すことにしたんだ。最後はそのリストから選んだってわけさ。それからはアーティストに直接会いに行って、お互いを知り合う機会を持ったんだ。B-Realに会いにL.A.まで行って、一緒にチルしたな。俺の存在をみんなに知ってもらうチャンスでもあったんだ。Talib Kweliにはプレルトリコで会って飲んだんだ。Jaguar Wrightはニューヨークにいるから、一緒にクラブに行ったり、とにかく最高のヴァイヴスだったんだ。選んだアーティストは、みんなコンセプトにはまる逸材だったし、相性がとにかく良かったんだよな。俺としては、このアルバムに携わった全てのアーティストやプロデューサーを集めて、自分のトラック自慢をしたいくらいだよ!

Guru : これは、自然のヴァイヴスがもたらした結果で、誰の指図もナシの作品なんだ。

 

■今回の日本ツアーではどこを回られましたか?

Guru : 大阪と東京、あと横浜だね

 

■何回目の来日になりますか?

Guru : 何回目なんだろう。確か1991年が初来日だったよ。今回は4~5年ぶりの来日だったから、なんか地元に帰ってきた感じだよ。新しい作品と、新しいプロデューサー、さらには自分のレーベルと共に戻ってこれて本当に嬉しいよ。

 

■日本のHip Hopアーティストはご覧になりました?

Guru : 大阪で見たね。何人か自分のCDを持ってきてくれたよ。あとで聴いてみなきゃな。

Solar : 言うのを忘れてたんだけど、何かSONYと契約したアーティストとの話があるみたいだぜ(その後密談開始・・・)

Guru : 7Grandは世界企業だ。『Street Scription』がリリースされて、アッという間にセールスを記録したことがその証だろ。ウエスト・コーストのエージェントからサウスまで、ロシアから南アフリカまでがショーのオファーして来たんだぜ。

Solar : インディーとしてたくさんのアーティストのリミックスもやった。ギリシャ、フランス、ロシアのアーティスト、スペインとプエルトリコはラテンの括りで一枚のアルバムにしたしな。シーンのとのつながりは思ってるよりも強いんだよ。”アングラ”って言葉を使うのは嫌なんだけど、セールスを記録しなくても、1億ドル稼がなくても、俺たちはアングラなんだよな。そして、何よりアングラな奴らが大好きなんだよ。俺たちは、異文化をリスペクトしているし、文化っていうのはそうあるべきなんだ。Hip Hopは今や世界的な文化になっていて、それは本当に愛すべきことだよな。

Guru : 日本のシーンはすごく成長してきているよな。空港からの道で、街の巨大スクリーンに日本のHIP HOPアーティストのPVが流れているのを観たよ。WOW!って感じだったし、ようやく追いついて来たなって思ったね。昔は、ニューヨークやL.A.を真似ただけだったけど、今じゃ日本の文化をHip Hopというフィルターを通してレペゼンしている。ドープだよ。

 

■今後の動きは?

Guru : 『Jazzmatazz Vol.4』を仕上げることかな。

 

■今年発売予定でしたが、来年に延期になったんですよね?

Guru : そうそう。ツアーが始まったから、リリース日を延期したんだ。

Solar : 2007年の予定だ。日にちを決める度、色いろあったんだよな。でもまぁ、プロモーションする期間が増えて丁度良いけどな。

Guru : 自分でリリース日を設定できるのはレーベル経営している特権だな。プレッシャーを感じることもないし、納得いくまでリリースを延期することができるからな(笑)

Solar : 延期してるんじゃなくて、”タイミングを計ってる”んだよ(笑)

Guru : そうだった! メジャーレーベルに所属していたら、喧嘩の元になるネタだな。

Solar : 『Street Scriptures』は成功を収めた作品だった。100万枚を超える売上を得たしな。世界中のMTVが放送してくれて、協賛として付いてくれたんだぜ。世界にこんなにたくさんのMTVがあるなんて知らなかったよ。ブルガリア、ポーランド、UK、 ロシア、日本……。2005~2006年のアメリカ以外でのCDセールスの5位に入ったんだ。新しい時代、作品の幕開けだ!

Guru : 新しい時代のクラシックだ!

Solar : それだけじゃないぜ。子供と比べるのは嫌だけど、これは子供みたいなモノなんだ。準備ができるまで手元に置いて置く。準備は整ったから発表したんだ。一度手元を離れると、水を得た魚だ。『Jazzmatazz』もこの勢いでいくぜ。7Grandで契約したグループのアルバムも近日発売だ。

Guru : フィラデルフィア出身のラッパー2人だ。間違いなく2007年のHip Hopシーンを賑わす存在だ。『Jazzmatazz』のニューアルバムもリリースされるし、かなり興奮してる。すごくパワフルなコンセプトだし、Solarとのスタジオでの作業は、今までの俺の中でベストなモノだったんだ。トラックを聴く度に鳥肌が立つんだぜ。とにかく今の俺は精気に満ちていているんだ。”全てにおいて自分の意思通りに携われている現状”俺のキャリアにこんな転機が訪れるなんて、嬉しいことだよな。

Solar : 『Street Scriptures』に関しては、GURUはいつだってそこにいるんだ。Hip Hopという世界にな。彼は、Hip HopとJazzのフィルターを通して、ポジティブなヴァイヴスを発信してるんだ。俺は俺として、自分のポテンシャルを世の中に示していかなきゃいけないと思ってる。俺はニューヨークのストリートで生まれ育った。フランスのMC Solarとは何の関係もない。でもHip Hopのアングラチャート、HOT 97、ビデオミュージックBOXのUncle Ralph、Marley Marl、みんな俺のことをトッププロデューサーだって公言してくれてるんだぜ。”Guruと仕事が出来てる”これこそが、俺の才能の証明だろ。俺の(2パック)ビートはもっとストリートマナーに忠実なんだ。俺はどちらかと言うとストリートミュージシャンだからな。ドラムマシーンとオケを同等に使うのが俺流だ。

Guru : 『Street Scriptures』はまだ1作目だ。どう成長していくか楽しみだよな

Solar : 俺たちはスタジオで過ごす時間にとにかく重きを置いてる。俺のスタジオ作業はスゴイんだぜ。愛してることをやり続けられるって嬉しいことだよな。

Guru : 遅れを取ってるのは俺の方なんだ(笑)。「ビートは出来上がっているのに、全然リリックが書けてないじゃないか!」って怒られるんだぜ。書くのはそんな簡単じゃないんだよ(笑)

 

■ライムし続けるのはなぜですか?

Guru : 人生経験とビートへの探究心だよ。いつもリリック全てを書き上げる前にライムするんだ。電車や飛行機、とにかく書きたい衝動に駆られたら書き留めておくって感じだよ。運転中に路肩に寄せて書くのなんて日常茶飯事だぜ。トラックを聴いて書くときもあるけど、創作意欲を沸かせる十分なトラックに出会えてなかったんだ。俺の大好きなラッパーの2 Pacも同じように、スタジオでの作業を大事にしてたらしいんだ。最初にSolarに会ったとき、どんな風に作業を進めるかを話し合ったんだ。お互い、2 Pacのスタイルに賛同したね。毎日夕方5時から夜中2時までスタジオにこもって作業していて、その前はジムに行ってワークアウトだ(笑)。規則正しいだろ。栄養のあるものを食べて、きちんと体をケアしなきゃな!

 

■最後に日本のファンにメッセージをお願いします

Guru : Hip Hopのグローバル企業として”7Grand”を位置付け欲しいと思ってる。メインストリームや売れてるモノへの道しるべだ。俺たちはそれを音楽というフィルターを通して代弁しているんだ。包括的なパッケージになっていくハズだからな。俺たちはマルチメディアな企業だって話したよな? だから、多面的に俺たちのプロジェクトを目にすると思うし、『Jazzmatazz』のアルバムやこっちのWebhttp://www.gurugangstarr.com/  http://www.guru7grand.com/ もチェックしろよ。これは俺たちの文化だ。政治的なコントロールのされ方じゃなく、俺たちでコントロールしなきゃダメなんだ。Hip Hopを愛するヘッズたちに、もっとHip Hopに携わって欲しいと思うよ。これは俺たちのカルチャーだし、俺たちはその中にいるんだから。

Solar : マクドナルドと手作りの定食屋を思い浮かべてみろ。マクドナルドは、どこでも食べれるし、どこにでもある。味も悪くない。でもそれだけだ。定食屋は、手ごろな値段で栄養のあるものをバランス良くたられる。この違いがわかるか?この違いが”7Grand”と他のレーベルの違いだ。ファーストフードとそうじゃないかだ。

Guru & Solar : Thank you!

 

Interview & Text : Saassyism