■記念すべき初来日ですが、日本の印象はどうですか?
とにかく素晴らしいの一言だよ。来日できるのを心待ちにしていたし、世界中を回ったが、日本は特に行きたい国の一つだったから、実現できて本当に嬉しいんだ。
■買い物、観光、日本で特にやりたいことはありますか?
特に何かってワケじゃなくて、とりあえずいろいろ試したいんだ。そこから自分に合うかでやることを決めて行きたいね。
■音楽的なこと聞かせてください。デビューアルバム「The Documentary」が世界的な大ヒットを記録した後、昨年リリースされた「Doctor’s Advocate」を制作するにあたり、大きな違いを挙げるとすると?
特に大きな違いは思い浮かばないな。俺は、単に音楽をやりたいだけなんだ。HIP HOPに身を置いて、クラッシックが生まれる瞬間を体感して、”レジェンド”と呼ばれ、数居るMCたちの上を行きたいだけなんだ。
■ウエストコーストのサウンドマナーをプラットフォームに、でも、柔軟性を持ったスタイルが、地域関係なく受け入れられた理由だと思うのですが、そういうったことは特に意識されていますか?
意識してるワケではないけど、スタジオに入ったら、自然と自分の世界に没頭できるんだ。スタジオの扉が閉まった瞬間から、俺は自分の世界に入って集中力を高める。そこから生まれる音楽は、自動的に”クラッシック”になるって実感できるね。
■ディストラックも多数リークされてますよね。比較的最近の作品で、50 Cent、Jay-Z、Suge Knightを槍玉にあげていた「My Bitch」がオモシロイかなと思ったのですが、ディスった相手からの実害って何かありますか?
100%健康で日本に来れたんだから、今のトコロ大丈夫ってことだろ。
■他にも、客演も多くこなされていますが、特にお気に入りの客演仕事は?
一緒に仕事したアーティストは、俺自身がずっとファンで、尊敬していた人ばかりだ。だから順位なんて付けられないね。一緒に仕事できただけで素晴らしい経験だったし、俺のキャリアの大切な部分を担っている。だから、一緒に仕事できたアーティスト全員に感謝しているし、「The Documentary」「Doctor’s Advocate」を成功に導いてくれたスタッフ、ファンにお礼を言いたいね。ありがとう。
■特に女性に聴いて欲しい曲をあげるとすると?
何だろうな。特にコレってあげられないな。俺自身、自分の曲のファンじゃないし。
■なぜですか?
君は自分自身の写真が好き?
■写真にもよりますが。
じゃあ例えば、どんなに他人が褒めてくれても、自分の気に入らない写真だったら、嫌な気持ちに変わりはないだろ。つまり、自分のことを評価するときは、他人が評価するよりも厳しくつけるってことだ。これがミュージシャンの立場だったらどうだと思う? 自分の創った曲を常に聴きたいと思うか?
■常には嫌ですけど、自分の曲には”自信”を持ってるアーティストに多くお会いしたので、勝手にそう思ってました。実際、私はミュージシャンじゃないので、何とも言えませんが・・・
俺は自分のアルバムを聴くのがとにかく嫌なんだ。制作途中や、全体のバランスを決めるときに聴く分にはいいが、それ以外は聴かないな。
■ちなみに普段はどんなジャンルを聴かれますか?
何でも聴くよ。R&B、Hip Hop、Blues、Jazz、Rock・・・ジャンルを問わずだ。どんなジャンルでも、イイ音楽はイイ音楽だ。
■その中には、貴方が影響を受けたアーティストも含まれますよね?
もちろんだ。N.W.A.、Ice Cube、E-40、Spice 1、Too Short、DOC、みんなウェッサイのアーティストたちだ。
■ところで、次のアルバムリリース後は、引退するという噂を聞いたのですが、本当ですか?
本当だ。次のアルバムをリリースしたら引退する予定だ。Hip Hopとはおさらばだよ。Hip Hop自体が昔のように楽しめなくなっていて、どこに向かっているのか期待もできないからな。だから、とっとと身を引くってことだ。
■裏方に徹するワケでもなく?
子供と随分一緒に過ごせていないから、しばらくは父親としての時間を過ごしたいんだ。例えば、Hip Hopでも小規模な仕事だったら、受けてもいいかなと思うけど、次のアルバム以降、MCとしては完全引退だ。
■日本にもウエスト・コーストのシーンは大きく存在します。世界規模でも考えても、ウェッサイアーティストの人気は各地スゴイですよね。
それがウエスト・コーストの凄さなんだ。世界中から人が集まってくる場所であり、世界中の人間が俺たちのライフスタイルを受け入れてくれる。日本だけじゃなくな。日本にも大きなシーンが出来てるって聞いてはいるが、実際にはまだ目にしていないんだ。でも、10日間の滞在の間に、日本のウェッサイシーンを体感できるって信じてるぜ。
■ところで、車は何に乗ってますか?
ベントレー、レンジローバー、エスカレード・・・たくさんありすぎて・・・
■もちろんカスタム済みのローライダーも?
当たり前だろ。俺はカリフォルニア出身だ。
■貴方にとって”ローライダー”の定義は?
カリフォルニア流の生き方だな。俺たちはローライダーで、世界中で受け入れられているんだ。その中枢に生きて、日常が真似されるってオモシロイよな。
■それと、どんな女性がタイプですか?
男の世話の仕方を知っている女性だな。外見には特にこだわらないが、家庭的で、女性らしい強さを持っている人に惹かれるね。リアルな”女性”にな。
■最後に、日本のローライダーにメッセージを!
ウェッサイとそこから派生するムーブメントのサポートをよろしくな。ウェッサイは、今では世界規模のカルチャーになっていて、それは拡大の一途を辿るのみだ。ローライダー、ヤシの木、コンバース、それがLAで、カリフォルニアのやり方だ。WE RIDE and DIE!
Interview & Text: sassyism
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