■DJ Dramaがホストを務める『Gangsta Grillz』シリーズのオフィシャル・リリースとなりますが、DJ Dramaとは元々知り合いだったんですか?
いつも使ってるスタジオのエンジニアが、Dramaを紹介してくれたんだ。一緒に仕事をしたいって話したら、まずはアトランタに来いって話になって、アトランタに行ってDramaのスタジオで俺たちのトラックを聴かせたら、アルバムのホストを引き受けてくれて、その場で録ってくれたんだ。
■DJ Dramaに着目した最初のきっかけって何でしたか?
DJ Dramaは、間違いなく今のHip Hopシーンの中枢にいる人間で、南部だけじゃなく、東の人間にも支持されているからな。それに、DJ Dramaは、T.I.やYoung Jeezyのような新しい才能をシーンに押し出すことにも長けているだろ。だから最適だと思ったんだ。
■DJ Dramaは、Mixtapeの著作権侵害で逮捕されシーンに衝撃を与えました。小売店の多くがMixtapeの販売を控えている状況ですよね。このアルバムは、Mixtapeの手法を取ったオフィシャルのリリースなので、さほど被害は受けないと思うのですが、彼の逮捕はセールスに影響すると思いますか?
作品自体がクォリティの高いものであれば、逮捕に関係なくセールスは期待できると思う。それに、DJ Dramaの逮捕によって、DJ Dramaの名前を色んな媒体で目にすることで、ある意味プロモーションになってると思ってる。三面記事に名前が載ると、嫌でも不特定多数の人間に認識されるからな。
■ちなみに、今後のMixtapeシーンはどう変わって行くと思いますか?
しばらくの間は、大人しくなるんじゃないかな。DJたちも面倒に巻き込まれないように自粛するだろうしな。
■Headcrack Entertainmentのようなインディーズのアーティストにとって、Mixtapeはどういう存在ですか?
ラジオでのエア・プレイが絶望的なインディーズのアーティストにとって、Mixtapeはかなり大切なツールなんだ。ラジオでのスピン数は、レコード会社の力の差だから、俺たちのようなインディーズのアーティストが食い込んで行くのは至難の業。でも、Mixtapeなら、メジャー配給じゃなくても全米中をプロモできるんだ。
■それでは、アルバム『DJ Drama presents Headcrack Entertainment Gangsta Grillz Special Edtion』のコンセプト、フィーチャリングされているアーティスト、プロデューサーを教えて下さい。
実は、大々的なコンセプトは無くて、俺たちの実力や今後を世間にお披露目するためのアルバムなんだ。NY以外の人たちにも手にして欲しくて、DJ Dramaの名前を全面に出したんだ。フィーチャリング・アーティストは、ほとんどクルーだよ。プロダクションは、パートナーのDon Blaze、Fatman Scoopにも曲を提供してるPavaurattie、ノースキャロライナ出身のYoung Cazが大半を作ったかな。AkonやLil Jonとよく仕事してるアトランタの友達Abaku、Young BloodzのSean Paul、Juvenille、フィラデルフィア出身のDon Broady、Keith Murreyの秘蔵っ子Daytimeが参加してる。
■NBAのAll-Star Weekendでラス・ヴェガスでお見かけしました。向こうでは何を?
All-Star Weekend逃しちゃダメでしょ。このアルバムのプロモーションも兼ねて、遊んで来たよ。NBAとHip Hopは密接な関係だから、All-Star Weekendは、全米中からDJやらアーティストやら業界関係者がこぞって集まるんだ。それにNBAファンの大半は、HIP HOPファンだから、俺たちみたいなインディーズのアーティストにとっては、絶好のプロモーションになるし、コネクションを作る大切な場なんだ。ステッカー、ポスター、フライヤー、プロモーション用のサンプルCD、配れるモノは何でも配ったよ。その動きが効いたのか、ラジオのインタビューとショーのオファーが着たんだ。今は、全米の大学を回るツアーを企画中だよ。
■プロデューサー兼ラッパー、パートナーでもあるDon Blazeと一緒に活動していこうと決めたきっかけは?
俺たちのマネージメントをしてくれているAV8のBoxerが、Don Blazeのプロジェクトを担当していて、それをきっかけに仲良くなったんだ。スタジオで一緒に制作したりするうちに、同じ高見を目指すもの同士、レーベルを立ち上げようってことになったんだ。それで今に至るってワケ
■Headcrack Entertainmentのスタイルを一言で表わすなら?またその理由は?
“斬新”だと思う。俺たちは、誰一人似たようなスタイルのMCはいないし、フロウもオリジナルだからね
■何度か来日もされていますよね?渋谷や千葉のクラブでパフォーマンスもされたとか。日本のHip Hopシーンをどう思いましたか?
日本は最高だよ!Hip Hopカルチャーに対するリスペクトは、ニューヨーク以上じゃないかな。日本のヘッズは、今でもHip Hopの5大要素をきちんと重んじてるよな。
■モチベーションを保つ秘訣は?
今のシーンは下降気味だから、それを回復させるのが俺たちの役目だと思うと、不思議とモチベーションを保てるんだ。
■現在、進行中のプロジェクトは?
とりあえず今は、このアルバムのプロモーションに忙しくしてるよ。いくつか声を掛けてくれたレーベルがあるんだけど、インディーズの良いトコロは、仕事する相手を選べるってトコだと思ってるので、時間をかけて吟味しようと思ってる。
■ドキュメンタリーDVDでもフォーカスされているとか。
Rick RossとYoung Droがジャケットの『All Acess』DVDで、期待のインディーズ・アーティストとして特集されてるよ。あとは、『Kush DVD』でもフリースタイルしたりしてる。Don Broady主演のDVD映画『Street Jeporday』にも出演してるからチェックしてみてくれ。
■日本のインディーズ・アーティストに一言お願いします。
他人にアドバイスできる程、成功してないけど(笑)。とりあえず、どんなときでも自分を信じて、自分らしくいることが大切だと思う。あとは目標に向かって努力すれば、必ず道は開かれるって俺は信じてる。お互い頑張ろうな。
Interview & Text sassyism
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