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■昨年のT.I.のバックDJとしての来日に続き、今回はイニシャルでの来日ですが、何か違いを感じますか?

前回はツアーだったので、ローカルな都市も経験できたけど、今回は東京に焦点を当てて楽しめてるよ。クールだね。

 

■アトランタのDJとしてのイメージが強い貴方ですが、実はフィラデルフィアの出身ですよね。アトランタで活動を広げた経緯は?また、DJを始めたきっかけは何ですか?

大学進学のためにアトランタに引っ越してきたんだ。フィラデルフィアは、”俺”という人格を形成した場所で、アトランタは”DJ”としてのキャリアを築いた土地って表現がベターかな。DJを始めたのは、1992年に2 Pacの映画『JUICE』に触発されてからだよ。それまで、DJという職業をメディアで目にすることがなかったから、衝撃だったね。

 

■MixtapeのDJとして確固とした地位を築く貴方ですが、ここ数年のサウスの台頭は予想されていましたか?

可能性は感じていたね。俺が『Gangstagrillz』シリーズを始めたときは、クランクがサウスの中心だったんだ。だから、クランクに注目を集めるために試行錯誤したし、ポテンシャルを感じるアーティストは、積極的に起用したよ。

 

■数ヶ月前に、Mixtapeの著作権侵害での逮捕が話題になりましたが、それに対する貴方の責任をどうお考えですか?

この件に関しては、俺には大きな責任があると思ってる。俺が他のDJと比較して、群を抜いて売れすぎたことが原因だしな。50 Cent、Young Jeezy、Lil Wayne、その他にもたくさんの才能あるアーティストが、Mixtapeを足がかりに今の地位を築いて来たんだ。そういった意味でも、Hip Hopシーンにおいて、Mixtapeが大きな役割を持っているのは周知の事実だ。今後もMixtape DJの代弁者として、Mixtapeの重要性を訴えていくつもりだし、若い世代がMixtapeを作り続けるように働きかけていくことが、俺に課された責任だと思ってるよ。Mixtapeの存在抜きには、俺たちの居場所を確保できないからな。

 

■今後のMixtapeシーンはどう変わって行くと思いますか?

正直なところ、今後どう変わって行くか、俺にも予想できていないんだ。元通りになることを願うばかりだけど、レーベルとの兼ね合いを考えたときに、絶対的に変化していかなきゃいけない部分もあるしな。でも、本来の状態に戻れるように協力していきたいと思ってるよ。

 

■逮捕によって、変わったことはありますか?

逮捕前よりも、俺のことを知ってる人が増えたことかな(笑)。ニューアルバムの制作中だったし、宣伝効果絶大だっだよ。ピンチとチャンスは表裏一体ってコトだ(笑)

 

■新人アーティストをブレイクさせるのにも積極的ですが、ボトムラインをおしえてください。

俺はみんなにチャンスを与えているだけだよ。俺がどうこう言うんじゃなく、彼らの”作品”を通して、リスナーが決める環境を提供しているだけなんだ。それがDJ本来の仕事だろ?

 

■DJのほとんどがデジタルに移行している昨今ですが、ヴァイナルは無くなると思いますか?

テクノロジーの進化と共に、DJも進化する必要はあると思ってる。重たいレコード引きずって営業していた時代に戻りたいとは思わないけど、でも、それを経験しているから、便利になった今に感謝できるんだ。ヴァイナル好きは永遠だから、無くなるってコトは無いと思うよ。大事な歴史の一部だからな。

 

■初めて買ったレコードをおしえてください

UTFO「Roxanne, Roxanne」だ。今朝も丁度聴いてきたトコだよ。クレイジーな曲で、今だに大好きだよ

 

■無類の車好きとお聞きしました。現在お気に入りの車は?

ビーマー(BMW)、レンジ・ローバー・・・最近のお気に入りは、黒のメルセデスかな。ラグジュアリーな雰囲気を大事にしたいから、カスタムはあまりしないかな。

 

■最後に、日本のファンにメッセージをお願いします。

何をするにも、愛情と情熱を持つことが絶対条件だ。同じ夢を持ってるライバルがたくさんいることを忘れずに、腹を決めたら最後までやり遂げること。中途半端が一番格好悪いぜ。あとは、ハッスルすることを止めないことだ

 

Interview & Text: sassyism