■日本での『Video Music Box』のDVDのリリースおめでとうございます。『Video Music Box』は、Hip Hopに焦点を当てたTV番組として、絶大な人気とリスペクトを得ていますが、『Video Music Box』を知らない日本のヘッズのために、『Video Music Box』のコンセプトや、始めたきっかけをおしえてください。
Hip Hopが誕生した初期の頃に、俺はDJをやっていたんだ。同時に、大学でフィルムやTV学を専攻していたこともあって、ごく自然な流れで『Video Music Box』を始めたって感じかな。スタートさせた1983年当時は、偏った構成の音楽チャンネルに飽き飽きしている人間も多かったし、ヴァラエティを欲している状態だったんだ。『Video Music Box』は、初のHip Hop専門番組として、今なお世界中のヘッズのために、リアルなHip Hop情報を提供することをコンセプトに進化しているよ。
■『Video Music Box』には、Funkmaster FlexやJay-Z、G-Unit他のインタビューが収録されていますね。現場復帰直後のJay-Zのインタビューは、『Video Music Box』のみのエクスクルーシブだとお聞きしたのですが
Funkmaster Flexとは、HOT97で一緒に仕事しているし、『Video Music Box』が提供する映像は、全てエクスクルーシブなモノのみだよ。俺自身、Beyonce(ビヨンセ)やPharrell(ファレル)のようなセレブのイベントのために、全米中でスピンしているしね。
■Jay-Zの「Brooklyn High」のライブ映像もとても見応えがありました。Jay-Zといえば、Jim Jonesとの”ビーフ”が話題になりましたが、”ビーフ”に対する貴方の意見をきかせてください。
基本的には、そいういう争いごとには関わらないようにしているんだ。一般の人間が巻き込まれることもあるからね。
■50セントをはじめとするG-Unitのインタビューでは、クルーの素顔が垣間みれた気がしました。ライブも圧巻でしたね。G-Unitがここまで大きくなると予想されましたか?
G-Unitは、着実に力を付けて、大きく成長したといえるね。現在のミックステープシーンは、50 Centが創ったようなモノだし、昔は50 Centがラジオで流れることなんて不可能に等しかったのに、今ではG-Unitを流さないラジオ局が皆無に等しいよ。
■Hip Hopがチャートアクションを賑わせることが普通になった昨今ですが、当時と比べてどうですか?
今のHip Hopは、とても商業的になってしまっているね。俺は、単に”楽しむ”ことに重きを置いていた当時のHip Hopをレペゼンしているんだ。
■現在NYでは、VJのMixが流行っているとお聞きしました。付属の『VJ Nonstop』についておしえてください。
旬のビデオはもちろん、昔のビデオも織り交ぜてミックスしているんだ。Run Dmcみたいな大御所から、最新の50 Centまでをクラブのスクリーンで観ることができるんだよ。”音”だけを聴いていた当時を思い出してみて欲しい。”視覚”でも楽しめるのは、クラブで遊ぶ人間や視聴者にとって、すごく画期的でアメイジングな経験だと思うね。”耳”と”目”で体感しながら、パーティーは夜通し繰り広げられているんだ。
■『Video Music Box』とその他音楽チャンネルとの違いをあげるとすると?
『Video Music Box』は、政治的な動きを極力カットして、視聴者のニーズに応えている番組だと思っているよ。
■貴方にとってのHip Hopの定義をおしえてください。
Hip Hopはライフスタイルなんだ。まずはHip Hopに触れることから始めて、そこから自分なりに噛み砕くことだな。
■最後に、読者にメッセージをお願いします。
日本のヘッズのみんな、Big Upだ! その内来日して、リアルなヘッズのためにスピンしてやるから、楽しみに待ってろよ。
Interview & Text: sassyism