■デビューアルバム『Mario Vazquez』のリリースおめでとうございます。リードシングルの「Gallery」が大ヒット中ですね。今の心境は?
すごく嬉しいよ。とっても興奮しているしね。自分のやるべきことを達成した気分だね。アリスタのようなメジャーレーベルと仕事が出来て、彼らが僕の夢を叶える手助けをしてくれるというのは、本当に幸運なことだと思ってるよ。「Gallery」がチャートで順位を上げるたびに、お祭り騒ぎしたくなるね(笑)。アルバムがリリースできて、「Gallery」のヒットによって、僕が”アーティスト”だということを証明できたんじゃないかな。とにかく嬉しいの一言だよ!
■日本でもリリースされますね。
そうなんだ!このアルバムは、R&Bだけじゃなく、ポップス、ソウル、ロック、レゲトン色んなフレイヴァが詰め込まれていて、僕が影響を受けるモノを余すトコなく表現したつもりだよ。日本のみんなにも、僕が愛する音楽を受け入れてもらえることを願うよ。
■確かに、バラエティ豊かな内容ですよね。多ジャンルに挑戦しつつも、一つ一つの曲で違う"顔"が見えるというか、とても表情豊かに感じました。
ありがとう。特に意識はしていなかったけど、ワンパターンにならないように気をつけたつもりだよ。今は、踊れるリズミカルな音に焦点をおいているんだ。みんなに楽しんでもらいたいし、僕の曲で踊って欲しいからね。
■踊れる曲とおっしゃってますが、Fat JoeとKnoxをフィ-チャーした「Cohiba」は、クラブバンガーとして人気が出そうですよね。同じブロンクス出身ということで、このお二人をフィ-チャーされたんですか?
もちろん!ブロンクス出身というよりも、プエルトリコ出身のMCに参加して欲しかったんだ。Fat Joeがオファーを受けてくれたときは、”パーフェクトだっ!”って思ったよ。Knoxのスペイン語のライムもクールだろ?Scott Storch、Fat Joeと一緒のマイアミでのレコーディングは、すごくいい経験になったよ。レコーディング自体がPartyみたいな雰囲気だったしね。「Cohiba」はすごくエキサイティングな曲だし、「Fired Up」「I Bet」も同様にシングルを切ろうと思っているよ。
■アルバムでは、Scott Storchの他にJohnta Austin、Lester Mendez、Sean Garrettと話題のプロデューサーを多数起用していますね。
メジャーレーベルに所属する醍醐味だよね(笑)。ずっと一緒に仕事をしたかったプロデューサーと作品を創れるというのは、本当にアメイジングなことだよ。彼らの仕事の仕方や、インダストリーでの功績を考えると、学ぶことがたくさんあったね。
■リクエストを出したプロデューサーはいましたか?
もちろん。Lester Mendezの参加は熱望したね。彼は、Shakiraの成功の立役者なんだけど、彼のラテン要素溢れる楽曲が、どうしても僕のアルバムには必要だと思ってたんだ。ラテン文化を取り入れた素晴らしい楽曲「One Shot」が完成したってワケ。
■「One Shot」は、スパニッシュギターのイントロが素敵な曲ですよね。
そうそう。とても綺麗な曲だろ?僕は、プエルトリカンとして、ラテンルーツを大切にしているし、影響を受けているってことをみんなに感じて欲しかったんだ。
■スペイン語と英語、どちらで歌う方がより自然ですか?
英語の方が断然楽だね。もちろん、スペイン語は堪能だけど、もっと勉強しなきゃいけないことがたくさんあるんだ。英語だと、思ったことが自然に口から出てくるんだ。
■今後、全編スペイン語のアルバムをリリースする予定は?
今、企画中だよ。日本ではあまり知られていないかもしれないけど、スペイン語ヴァージョンの「Gallery」もあって、このアルバムから切るシングルは、スペイン語でもカバーしようと思っているよ。
■英語とスペイン語の両方で表現できるというのは、とても素晴らしいことですね。
とても恵まれていると思ってるよ。自分のルーツをリスペクトするのは、本当に大事なことだと思うしね。スペイン語ももっと勉強して、シンガーとしての僕の”アクセサリー”になるように頑張るよ。
■リリックも書かれますか?
このアルバムでは、1曲だけ「Everytime I」という曲で採用されているよ。このアルバムの制作や、才能豊かな人たちと仕事する機会を通して、”歌詞を書く”ということに興味を持ったし、今後も挑戦していきたいと思う。
■『アメリカンアイドル』(※ケリー・クラークソン、ルーベン・スタッダード、ファンテージアのデビューの足がかりとなった全米の人気オーディション番組)のファイナリストに残りながら、そのポジションを辞退したとお聞きしました。理由をおしえてください。
最後の12人に残ったときに、辞退することにしたんだ。方向性の違いというか・・・。僕が目指しているところと、番組の主旨が違ったんだよね。『アメリカンアイドル』出身のアーティストたちとの違いは、僕のアルバムを聴いてもらえば解ると思うよ。僕のアルバムは、よりダンサブルだし、色んな雰囲気を持っているからね。幸運なことに、クライヴ・デイヴィスに注目してもらって、僕の才能やポテンシャルを引き出したいと言ってくれたんだ。そこからは急展開で、アルバムが完成!って感じかな。
■影響を受けたアーティストは?
PrinceやMichael Jacksonだね。
■Michael Jacksonとは、デビュー前に一緒にお仕事をされたとお聞きしましたが。
そうなんだ。彼が2001年に発表したアルバム『Invincible』の中の「Whatever Happen」という曲のバックコーラスを担当したよ。Michael Jacksonが長年に渡りたくさんの人たちに愛されている理由が理解できたし、正真正銘の”アイコン”だから、すごく緊張したよ。嬉しい緊張だったけどね。彼は、すごくプロフェッショナルで、完璧主義者だよ。一緒に仕事が出来たことは、本当に感謝しているよ。みんなが経験できることじゃないし、Michael Jacksonとの仕事は、僕のキャリアの中でとても誇りに思えることだよ。
■今後一緒に仕事をしてみたいアーティストは?
Christina Aguileraだね。彼女をアーティストとして尊敬しているし、入れ替わりの激しい業界で、新しいことに挑戦する姿にはインスパイアされるよ。あとは、Mary J. Bligeだね。Mary J. Bligeの成し遂げた功績を考えると、唯一無二の存在だと思うし、是非一緒に仕事をしてみたいよ。
■デビューアルバムをリリースしたばかりですが、セカンドアルバムの予定は?
早すぎだよ(笑)! でも、常にポジティブに取り組んでいきたいと思ってるよ。
■日本のファンにメッセージを!
日本でもリリースできるってことは、本当に大きなことだって実感しているよ。僕は、”運命”を信じていて、自分の目指すコトを常に思い描いて努力し続ければ、必ず叶うと思ってる。アルバムを通して、僕の音楽に対する情熱を感じてくれたら嬉しいな。楽しんで!
Interview & Text: sassyism