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■当初のリリース予定より大幅にズレ込んだようですが、その理由は?

まだ完成していないんだ。リリース日の奴隷になるのはゴメンだからな。マネージャーやレーベルのスタッフ、みんなスケジュールを上手く調整してくれて、最適なリリース日を選んでる最中だよ!

 

■ニューアルバムのプロダクションやフュ-チャリングアーティストを可能な範囲で良いので教えてください。

UGK、Norah Jones、Musiq、Raheem Devaughnがフィ-チャーされていて、プロデューサーには、Madlib、Hi-Tek、Just Blaze、Kanye Wesy、will.i.amが参加してくれたよ。クールだろ?

 

■ニューアルバムのクレジットを拝見したのですが、Strong Arm Steadyが参加していますよね。予想外でした。

Strong Arm Steadyは、アルバムへの参加だけじゃなく俺のレーベル『Black Smith』に所属しているんだ。彼らは、俺の知っている中でも最高にギャングスタなヤツらだ。俺やXzibitと比べると知名度は劣るかもしれないが、彼らの音を聴くと俺のスタイルと共通するモノを感じると思うよ!

 

■フィーメール・アーティストのJean Graeはどんなアーティストですか?

彼女は、アングラながら長いキャリアの持ち主だよ。すごくリスペクトされているし、俺の幼なじみなんだ。

 

■ご自分のレーベルを立ち上げてから、何か変化したことはありますか?

以前所属していたレーベルは、正直何もしてくれなかったんだ。自分でシングル切って、PV撮って、Mixtapeをリリースして・・・本当はレーベルがケアしてくれることを全て自分でやっていたから、レーベルを立ち上げたのごく自然な流れかな。来日できたし、インタビューもたくさん受けてるし、これも変化だろ?

 

■Black Starとしてのリリースの予定は?

今のトコロ、Mos Defと一緒にレコーディングをする予定はないけど、Black Starとして活動していたときに、録り溜めてある音がたくさんあるからもしかしたら可能性はあるかもな。でも、勘違いしないで欲しいのは、『Black Star』は、俺とMos Defのユニット名ではなくて、タイトルをよく見てもらえば解ると思うけど、『Mos Def & Talib Kweli are Black Star』つまり、Mos DefとTalib Kweliは”Black Star”だってことを意図したんだ。アルバムを完成させたとき、俺もMos Defも個々でアルバムをリリースすることを念頭に置いていたし、『Black Star』としてユニット的なイメージを付けるのが嫌だったんだ。なぜなら、一度ユニットのイメージを付けてしまうと、俺名義の作品をリリースするとき必ず”Black StarのTalib Kweliがアルバムをリリース!”みたいに書かれるだろ。それは避けたかったんだ。

 

■本屋を経営されていると聞きました。素敵ですね。本はお好きなんですか?

昔、本屋でバイトしたことがあったんだ。そこで気付いたのは、本屋を経営しているのは年寄りばかりで、時代の流れに鈍感になってる節があった。だから、本屋でポエトリー・リーディング(詩の朗読会)を始めて、そこから本屋経営に乗り出したってワケ。俺とMos Defが週1で本屋に顔出すようにしてたら、その度にDead Prez、Large Professor、Brand NubianのLord Jamarなんかも遊びに来てくれるようになったんだ。Hip Hop業界の人間だけじゃなくて、テリー・マクミラン(作家)なんかも常連だよ。何せ、ブルックリン初の本屋だからな!

 

■”アーティスト”と”エンターテイナー”どちらにより近いと思いますか?

少しずつ両方かな。例えば、他人に俺の職業を聞かれたら、俺は”ミュージシャン”と答えるよ。俺は自分のことを”アーティスト”だと思っているけど、大半の時間を”エンターテイナー”として過ごしたいと思ってる。みんなは俺を”コンシャス系”と分類するし、革新的で常に進化するタイプのアーティストだと思ってる。つまり、時事的なことをネタにすることで、俺の発してるメッセージから世の中で起こっていることを考える人間がたくさんいるってことなんだ。俺の仕事は、みんなに問題を提起すること。と、同時に、みんなを楽しませてあげることも大事な役割なんだ。みんなお金を払って俺のショーを観に来るんだからな。まとめると、俺の職業は”アーティスト”だけど、仕事は”エンターテイナー”ってことかな。

 

■パーフェクトな答えですね。

だろ?結構時間をかけて考えたからな(笑)

 

■貴方にとってHip Hopとは?

Hip Hopは唯一のリアルなアートだと思ってる。ストリートでの言葉をそのまま使う音楽が他に思い浮かぶか? 感情を直球で表現する素晴らしい芸術だよ。

 

■日本のファンにメッセージをお願いします。

いつもたくさんのサポートをありがとう。感謝してるよ!

 

Interview & Text: sassyism