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■ニューアルバムの発売間近ですよね。

そうそう。ニューアルバムは3月発売だ!

 

■延期になったんですか?

そうなんだよ。Jay-Zが11月、NasとYoung Jeezyが12月にリリースするから、ホリデイシーズンに向けてまずはヤツらを稼がせてやらなきゃな。俺がリリースするときには準備万端じゃなきゃ意味無いだろ。

 

■タイトルは『Red Gone Wild』でしたよね。差し支えない範囲で良いので、フィーチャリングアーティスト、プロデューサーを教えてください。

基本的にはファミリー(仲間)が総参加しているアルバムだな。前作との違いは、新人を多数起用しているトコかな。ブルックリン出身のIcarus、ニュージャージー出身のReady Roc、Runt Dawg、トロント出身のSaukrates、デトロイト出身のMelanie Rutherford、あとは、ボストン出身のE3かな。これがGilla Houseだ。ヤバイことになるぜ。みんなコンセプトにハマる逸材達だし、とにかくイイ感じだ。プロデューサーに関しては、常に一緒に仕事してきたErick Sermon、Rockwilderは外せないだろ。自分でプロデュースした曲もあるし、他にはClark Kent、Eminem、Timbaland、Scott Storch、名前を挙げればキリが無いんだけど、とにかく色んなプロデューサーが参加した超タイトなアルバムだ。21曲クレジットされてるんだけど、コマーシャライズされていない、”これこそRedman!”って感じの仕上がりだ。

 

■前回来日されたのは、2001年のDef Jam Japan設立のときでしたよね。Method Manと一緒にクレイジーなステージでしたが・・・

もうそんなに前になるんだな。コンニチワ!BITCHES!日本は最高だ! 次に来日できるのが待ち遠しくてしょうがないよ。客の盛り上がりもすごかったし、リリックも日本人なりにちゃんと理解して、一緒に口ずさんでくれてたしな。女の子たちもみーんな優しくて、リスペクトを感じたね。すごく礼儀正しいし、不便に感じることなんて一切無かった。あとは、クールな電化製品がたくさんあったのにもビックリしたし、当時USでは未発売だったフラットスクリーンTVや、その他にもすごい量のプレゼントをもらって大満足で帰国したよ。今度来日するときもよろしくな! ホテルでのマッサージも最高に気持ち良かった。最近背中が痛くてしょうがないからマッサージも手配しといてくれよ!

 

■貴方の時代と現在のHip Hopで違いを感じることはありますか?

かなりね。俺はあの時代にデビューできて本当に嬉しく思ってるよ。今と昔を入れ替えることが出来ても、俺は絶対に俺がデビューした時代を選ぶね。俺はあの時代のスーパーヒーローだからな。今のシーンには、スーパーヒーローが不在なんだよ。アーティストが量産されすぎてて、誰が誰だかわからないし、リリースのスパンも短いから聴き込むヒマもあったもんじゃない。俺が出てきた時代は、Method Man、Redman、Ol’ Dirty Bastard、Keith Murray、Busta Rhymes・・・俺たちはみんなにきちんと認識されていたスーパーヒーローなんだよ。それより前の世代だと、A Tribe Called Quest、EPMD、Rakim、Big Daddy Kaneみたいな男臭いアーティストたちがいただろ。今のシーンは大半がナヨナヨしちまって、ヒーロー性に欠けるよ。でも、それはそれでアリだと思ってるけどな。Hip Hopの発展によって仕事に就ける黒人も増えたことだし、ツアーで海外に行ったり、それまで白人の専売特許だったことが、黒人にもできるようになったんだからな。でも俺は、自分がデビューした時代があの時代で良かったと思っているよ。俺の時代は、Hip Hopはまだ発展途上だったからアルバムのリリースが決まったときってのはすごい興奮だったんだぜ。でも今は結構誰でもリリースできるようになったから、俺たちと同等の興奮は得られてないと思うしな。でも”昔は良かった”とか”Hip Hopは死んだ”なんて言う気は全くないぜ。俺はHip Hop畑の先輩として、若い奴らが頑張ってるのを誇りに思ってるし、若い奴らには俺を含むHip Hop発展の立役者たちをきちんとリスペクトして欲しいと思ってる。とにかく、俺は俺が出てきた時代で本当にラッキーだったと思ってるってことだ。

 

■俳優として映画にも出演されてますよね?

インディーズの映画を含めて3本に出演したな。『How High(邦題:ビーバッドボーイズ)』『チャイルドプレイ3/チャッキーの種』だ。俺は俳優デビューでいきなり主演だぜ。俺はボスだからな。俺が何かを始めるときってのは、常に主役なんだ(笑)。友達のローレンが撮ったインディーズの映画は別だけどな。片足の異常殺人のレニー役だったな(笑)。メジャー配給の2作目は、主役ではなかったけどヒロインのジェニファー・リニーとキスシーンを演じたから、ある意味主役級だろ。2作目にして主演にキスするってことは、ステップアップしている証だ。ワックなことさせられるのは嫌だから、今のところ新たな映画出演は考えてないけどな。演技も勉強しなきゃいけないしな。ここだけの話、『How High 2』を企画中なんだ。

 

■本当ですか!? ちなみにいつ頃を予定されているんですか?

脚本を書かなきゃいけないから、とりあえず年末くらいから手を付けようとは思ってる。本当は既に取り掛かってなきゃいけないんだけど、俺たちレイジーだからさ(笑)。何をしたいかは明確だから、後は形にするだけだ。

 

■映画以外にブランド設立など、何か計画していることはありますか?

ブランドは昔に手を出したことがあるんだ。色いろ学ばせてもらったよ。大して儲からなかったけど、赤字ではなかったぜ。商標登録はまだされてるハズだから、その内新作でも発表するよ(笑)。そのときはちゃんと知らせるから待ってろよ!

 

■今後の予定は?

とりあえず『Red Gone Wild』が3月にドロップされるだろ。あとは、来年の8月にGilla Houseのアルバムをリリースしたいと思ってる。『Red Gone Wild』の次のアルバムは……。まだどのメディアにも発表してないんだけど……。『Muddy Water 2』だ。このネタつかめただけで、この記事は超エクスクルーシブだな! 今まさに制作中で、予定としてはギラハウスのリリース直後、9月あたりにドロップするつもりだ。『Muddy Water』は大好評だったから、『Muddy Water 2』を制作中ってことをヘッズが聞いたらスゴイことになるぜ。ちょっとだけコンセプトを教えちゃおうかな(笑)。『Muddy Water 2』は、近代化とか一切ナシで、時代に逆行したビートで原点回帰的な作品にしようと思ってるんだ。新しいサウンドを追求するんじゃなくて、原点に忠実な音になる予定だ。Gilla Houseのクルーのアルバムもリリースされるし、俺のプロダクションクルーからもBlamってヤツが『Dat Balm Shit』ってアルバムでデビューするぜ。このアルバムはヤバイことになってるな。こうやってみると、俺ってつくづく多忙だよな。なんてったって、俺、”ボス”だからっ(笑)。クルーの面倒もみてやんなきゃいけないし、俺自身は2008年のことも視野に入れていかなきゃいけないしな。あ、言い忘れてたけど、デフスクワッドの新作と、メソッドマンと共同のニューアルバムも制作中だ。あとは・・・。DJ Scoob Dooが手掛けてる俺のMix Tapeシリーズもチェックしろよ。1と2は発売中で、3を制作中だ。

 

■日本のファンにメッセージをお願いします

コンニチワ ビッチズ!! 日本のファンのみんな、コンニチワ ビッチズ(笑)!! 3月にドロップする『Red Gone Wild』絶対チェックしろよ。ってか買えよ(笑)。Gilla House、Def Squad、Wu-Tang Clanのサポートよろしくな!

 

Interview & Text: sassyism