■Sharp-A-Donとの出会いの経緯を教えてください。
Sharpと会ったのはもう5~6年前の話になるね。俺がHarlemの131 St.に住んでる時にいつもコーナーにたむろしていが Sharp達だったんだよね。かなり皆の柄が悪かったから、多分ドラック・ディーラーとかだろうなと思ってオレもシカトしてたんだけどね。多分Sharp達も俺のこと「何だこのTatooだらけのアジア人」って怪しく思ってたと思うよ(笑)。俺はピットブルを2匹飼ってるから毎日散歩に行く訳よ。そうすると奴らは毎日居るんだよね。お互い話しかけるようなタイプじゃないから。。。それで1年ぐらいかな?「おい、アジア人。ヘネシー飲むか?」みたいな感じで話しかけてきた。それで「お前、クサ吸う?」とか話しながら盛り上がって、Sharpが「俺ラップやってんだよね。」て言ってきて。それで「じゃあ俺のスタジオこいよ」って。その日から曲を作り始めたんだ。
■Sharp-A-Donをプロデュースしようと思ったきっかけはありますか?
Sharpはとにかく音楽性に優れてる。オレもこっちで何百人って数のラッパーをRecしたけど今のところ一番しっくりきている、オレが何よりSharpのラップが一番好きだし、オレの音にはめてくる。本当に音楽が好きな気がする。音楽に対しての、拘りも半端じゃないから。他に仕事もした事ないだろうし、あいつにはラップしかできないと思う。だからプロデュースし始めたんだ。
■2009年を騒がしたあのRon Browzもプロデュース、曲にもコーラス、歌と共に参加していますが、どういった経緯でこのようなコラボが生まれたのでしょうか?
Ron BrowzもHarlemだしSharpの幼なじみなんだよね。Sharpは昔からハーレムでUptown CrewっていうのをやっててBETやらHOT97とかにも出てたんだよ。それで紹介してもらって、俺がSharpのアルバムを作ってるって話になったら、Ronが「俺も参加する」みたいな軽いノリからスタートしたけど 作り始めてからはかなり皆真剣になってたね。時間も掛かったし、お決まりの喧嘩もあったし(笑)でもようやくリリース出来るって感じだね。 Kool G Rapも入ってくれる予定だったんだけど、たまに連絡取れなくなるんだよ。だから今回はHarlemの色を強く出すために、Ronだけにしたんだ。もうこっちではたまにRonとSharpでLiveとかして良い感じだね。
■アルバム制作において特別なエピソードなどはありますか?
エピソードは色々あるよ、いつものことだね。何かガッチリ仕上げようとすればスムーズにいかないもんだよ。逆にスムーズに行き過ぎてもつまんないしね。結果的には皆、満足してる。完成した瞬間もヤバかったよ。でも今回は本当にこのアルバムを作ってまたハーレムとHip Hopのリアルさをを知った感じがしたね。俺のキャリアの何かに繋げたいと思ってる。
■当初のアルバムのリリース予定から随分遅れましたが何か理由があるのでしょうか?
やっぱりリアルな曲を作りたいからただ単純に時間が掛かった。色々とSharp達とも揉めたり、「何でここで、こういうラップをするんだ?」みたいな感じでオレと Sharpが言い合いになったり、でも最終的にはお互いの音楽スタイルの微妙な違いを良い感じに調和出来たよ。他にも Ronとのスケジュールが合わなかったりね。他にも少し俺自身のトラブルもあったしね。だからしばらくスタジオには行けなくてBrooklynの奥に潜んでたんだ(笑)。金も必要だからね。とにかく時間が掛かったよ。
■特別思い入れのある曲はありますか?
やっぱりRonとの2曲かな。あの2曲は時間がかかった。 Ronも最近はかなり忙しいから、時間が空いたらスタジオに来て音を確認したり少し調整したりね。結構時間が掛かったから。でもそれぞれの曲の全部に思い入れがあるね。最近 RonがMainoと日本に行った時の話をしたんだけど、かなり日本を気に言ってたよ。「日本のヘッズは本気で音楽が好きだったよ!」とかいきなり日本から帰って来たら変わってたね。行く前は全然違う雰囲気だったのに。爆笑しちゃったよ。次は俺とRonとSharpで行きたいね。
■マスタリングは今回もTony Dawseyなんですね。
Tonyとは前回の『THE ALBUM』でマスタリングしてもらって以来、かなり仲良くなって流れ的に「今回のマスタリングもTony でしょ」って事になった。NYのヒット作品はほとんどTonyがやってるからね。音質も間違いないよ。
■楽曲も様々な音楽のジャンルが入り混ざっているような感じですが、Munariさんがディレクトしたのでしょうか?
俺が先頭に立ってディレクションをしてRonとSharpとPrawdukの皆で方向は決めて行ってる。音に関しては色んなジャンルに聞こえるかもしれないけど、これがオレ等のHip Hopだと思ってやってるからね。後はノリだね。例えば「NASTY」って言う曲なんて皆でストリップ行った時に「 YO! なんかストリップの曲があったらこの女達もっと狂うでしょ?」みたい感じで生まれた。「5 IN DA MOORNIG」は、女が朝の5時にムラッとしたら俺に電話くれみたいな、感じ。よく朝の5時ぐらいにムラッと来るでしょ? Clubの帰りとか(笑)オレ等は何でもMixするのが好きなんだよね。 アルコールとか女とか。。。。音楽もね。だからこのアルバムはオレ等の生活なんだよね。
■このアルバムの全体的なコンセプトなどはありますか?
さっきも言ったようにこのアルバムは俺らの生活が出てる。つまりHarlemのライフ スタイルが出てると思う。これを聞いたら俺らがHarlemから出て来てるって言うのは分かると思うよ。最近はキレイなHarlemも見えるけど、まだこんな汚い部分で生活してる奴もまだ居るって事かな。アルバム タイトルは『Intoxikated Water』。日本語で言うと狂った水みたいな感じかな。俺らがいつも飲んでかなり酔い始めるとヘネシーをシャンパンで割ったりとか、ウォッカとブランデー割みたいな意味かな?分かる??とにかく聴いて欲しいね。全部英語だから分からないかもしれないけど、雰囲気やフローで楽しめると思うよ。みんなこっちの奴は、これを日本人が作ったのかって聴くぐらいだからね。かなり黒いアルバムだね。親のいるとこでは聞かない方がいいね(笑)。
■今後、2010年からはどういった動きになるのでしょうか?
今年はどうだろうな。まずは自分のアルバム作りだね。後MixCDとかもかなり面白いのを作ってる。今までにない感じのビートだね。Kool G Rapとの新しい曲も入るしね。それと日本人の新しいラッパーを全面的にProduceしてみたい。もしNew Yorkまで本気で来るヤツがいるならデモでも送ってよ。下剋上NYCで住むとこも飯も全部面倒見れるから(笑)。
more info: DJ Munari on facebook
more info: gekokujo-nyc.blogspot.com
Co-operation: 下剋上NYC