■『Reggae Sounds』のリリースおめでとうございます。今作では、Sean PaulやSpragga Benzほか、Hip Hopフィールドにもクロスオーバーしている人気者が多くコンパイルされていますが、ニューヨーク・ベースのDJとしてやはり意識するところだったりしますか？
ニューヨーク・ベースのDJとして感じるのは、プロダクションに関してはHip HopとReggaeは既に表裏一体の状態ってことだ。だから、Hip Hopフィールドにクロスオーバーしているから彼らを選んだというわけではなく、Hip Hopシーンとの”コラボレーション”に重点を置いたときに、Sean PaulやSpragga Benzはジャンルを越えた知名度を得ていたってコトなんだ。みんなが誰の曲を聴きたいか、オレには自然とそれがわかるって感じかな。
■それでは、参加アーティストを選ぶときの絶対条件は？
どのアーティストも業界において、独自の表現方法があるだろ。それを踏まえて、曲を完成させる上でのアーティストの能力、ニーズをベースに選んでいるね。才能豊かなアーティストはたくさんいるけど、残念ながら”曲”を完成させる力を持ち合わせていない人もいるんだ。だから、個人的には”曲”を完成させる能力のある、経験のある人間との仕事を希望するね。
■アルバムには、既出のレゲエアーティスト以外にもニューヨーク、フィラデルフィア、UKなどのMCたちもフィーチャーされていて、非常に多面的なアプローチをしている印象を受けました。ズバリ、この作品で目指すところは？
出身地の異なる様々なアーティストを起用したのは、意識的なものではないんだ。『Reggae Sounds』に参加しているアーティストたちの個々のスタイルは異なっても、彼らの音楽性が作品全体に上手く反映されると思ったんだ。たくさんの人にアルバムを聴いてもらって、愛してもらうってのは、そうそう上手くいくコトじゃない。でも、同郷の誰かの曲を聴いて『Reggae Sounds』自体を理解してくれるとしたら、それ以上の喜びはないね。
■『Reggae Sounds』と他のレゲエコンピ作品の最大の違いをあげるとしたら？
最大の違いは、プロデュース、アレンジ、ミックス、そしてマスターまで、オレが全て手掛けたことだな。オレはレゲエだけじゃなく色んなバックグランドに精通しているから、多種のスタイルやテクニックを融合させたといえるね。
■制作期間はどれくらいでしたか？
このプロジェクトにはしばらく時間を費やしたよ。で、dj hondaと話し合った結果、タイミング的にリリースするのは今だって思ったんだ。
■『Reggae Sounds』は、dj honda RECORDINGSからのリリースですが、そこの至った経緯は？dj hondaさんとの付き合いは長いのでしょうか？
dj hondaとは、過去のたくさんのプロジェクトで一緒に仕事をしたよ。その上で、このプロジェクト（『Reggae Sounds』）を一緒にリリース出来たらオモシロイって思ったんだ。
■dj hondaさんと一緒にツアーを回ったこともあるとお聞きしました。dj hondaさんとのツアーはどういった様子でしょうか？
dj hondaとのツアーは、素晴らしい経験だったし、とても感謝しているよ。誰とツアーを回るにしても面倒は付き物だけど、dj hondaはみんなが気持ちよくいられるように常に気を配ってくれたし、きちんとポイントを押さえてくれているんだ。何が起ころうと、dj hondaと一緒だったら嫌な気持ちになることはないし、また一緒にツアーが出来ることを心待ちにしているよ。
■AMW DJのメンバーとして多くのRemixを手掛けた経験を持つアナタですが、Remixとアルバムを手掛けるときの違いは？
既にホットな曲を、ラジオやクラブのDJたちが流したくなるようにさらにホットに創り上げるのがRemixを手掛けるときのマインドだ。それに対して、今回のようにアルバムを1から創るとなると、クリエイティビティを問われるわけだし、時間もかかる。Remixとは全く異なる工程だな。
■MTVを含むたくさんのツアーに参加されていますが、ジャパンツアーのご予定は？
条件が全て整えば、実現可能だよ。
■現在、取り組んでいるプロジェクトは？
いくつかRemixを手掛けているのと、Hip Hopのプロジェクトに着手したばかりだ。dj hondaが今取り組んでいるプロジェクト『h IV』でも一緒に仕事しているよ。
■最後に、日本のファンにメッセージをお願いします。
まだアルバムを手にしていないヤツ、逃している物は大きいぜ。ちゃんと買えよ。オレの動向が気になるヤツはdjrobdinero.comをチェックしてくれ！
Interview & Text: sassyism